孫子<兵法>大伝第32話臥薪嘗胆

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数年かけて軍備を整えた夫差は孫武ぬきで越へ侵攻。勾践は会稽山へ逃げ込むが包囲されてしまう。負けを認めて自害しようとする勾践を文種が止める。
文種は和議を結ぶべく伯嚭を訪れる。
最初はつれない態度だったが、貢物の女性や品々を見て目を輝かせた伯嚭は、夫差に文種を引き合わせて和議を進めるよう進言する。
伍子胥は後々禍根を残すと大反対。闔閭が勾践に殺されたのを忘れたのかと凄い剣幕だ。
伯嚭が言葉巧みに夫差を説き伏せ和議が成立する。
伍子胥は、いずれ呉は滅びる、孫武よ何故そなたはこの場にいないのか、と嘆く。

こうして勾践の奴隷生活がはじまる。夫差は褒美をやるといって犬のエサを与えると、勾践はお礼を言って犬のように手を使わずに食べている。夫差はとても満足そうだ。
勾践は納屋で寝起きをし、馬の世話をさせられる屈辱の日々に復讐を固く誓う。

孫武の息子・孫馳は越との戦の功績で将軍に昇格。
孫武の兵法書は12編だったが、隠居後も書き続けて全82編が完成していた。
それを知った夫差は、兵法書82編を手に入れれば天下を手中に収められると目の色を変え、孫馳と伯嚭で兵法書を手に入れるよう命令する。

その頃、隠居した孫武のもとには楚の霊樾と申包胥が訪れていた。
夫差が越の次は楚に侵攻しようとしていると危機感を抱いており、孫武を取り込みたいらしい。
イラには親の名誉回復、孫武には領地を与えると言う。お前の兵法のせいで楚は一度陥落した。お前の提案で呉・越・楚は和議を結んだのに、呉は数年でそれを破って侵攻した。
霊樾は自分の責任を感じないのかと孫武を責める。

今回は臥薪嘗胆（がしんしょうたん）の由来となる話でしたね。
臥薪嘗胆とは、復讐のために耐え忍ぶこと、成功するために苦労に耐えること。そんな意味を持つ中国の故事成語。

父・闔閭を殺された夫差は数年かけて軍備を整えて、越を破った。
夫差は蒔の上で寝て、その痛みから父を殺された恨みを忘れないようにした（臥薪）と言われています。ちなみに蒔の上で寝るシーンってあったっけ？
勾践は越王から奴隷に身を落とし、耐え忍んで復讐を誓う。
奴隷となって犬のエサを食べているシーンは強烈でしたね。納屋で何かを食べていましたが、あれは動物の胆ですね。苦い胆を嘗めて復讐を誓った（嘗胆）と。

それから奴隷となった勾践を辛い表情で見ていた女性がいました。夫差にそれとなーく勾践を苛めないでって訴えてましたね。あの女性は越から献上された西施ですよね。
西施は中国古代四大美女の1人に数えられる女性ですが、さりげなーく初登場していましたね。